死んでほしい

最近『コード・ブルー』と『Tomorrow』という二つの医療ドラマを観てて気づいたのだけれど、僕は人が死ぬ展開が大好きです。もちろん無暗に人を死なせればいいのではなく、然るべき時において然るべき死に方をしてほしい。ここでこの患者死なせたらドラマ的にめっちゃ盛り上がるのにー!というようなことをよく思います。
しかしながらミスチル桜井和寿氏は楽曲『HERO』の詞において「ダメな映画を盛り上げるために 簡単に命が捨てられていく 違う 僕らが見ていたいのは 希望に満ちた光だ」と書いているのですが、いかんせんやっぱり昨今は人を死なせずに面白い脚本を書ける作家なんてロクにいないので、やっぱ人は死なせるに限るのですよ。
登場人物を死なせないことによって緊張感に欠け冗長になった作品として最たるものは、やはり少年ジャンプで連載されている『ワンピース』といえましょう。ウソップはアーロン編でナミに刺されて死なせれば良かったしゾロは鷹の目のミホークに斬られて死ねば良かったしサンジはエネルに何千万ボルトだか食らって死ねば良かったしチョッパーはなんかでかい怪物になって制御できなくってそのまま死ねば良かったしエースは黒ヒゲと闘って死ねば良かったし(特にこれは絶対)、もう「ここは死なせるべきでしょ」的な場面が盛りだくさん!ホントね、もうちょっと作品内における「死」というものがもたらすダイナミズムについて真面目に考えてほしいものですよ。逆にいえば大抵の冒険漫画とかは登場人物が適度に死にますから、そういう物語がニュートラルな状況において「人が死なない」ワンピースは相対的にかなり不利な立場になるのです。多くの人がワンピースをつまらなく思う最大の理由はここにあるような気がします。つの丸の『サバイビー』を見習ってほしい。